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さらし首層

紀伊半島の海岸には、地形形成経緯より奇怪で美しい景観が多い。干潟に突き出た層状の岩盤など、バラエティーに富んだ形状の岩がたくさんあり面白い。その中で、丸い大きな顔の様な岩が海岸地面より飛び出している形状があった。ガイドブックによれば、「さらし首層」との名がついているとのこと。日本の中世では、罪人への最大の罰則として、胴体から切り離した首を道端に展示し通行人に見せしめとする刑があった。これを「さらし首」と言ったが、これに似ていることから命名された。人間界で命名された中世もかなり昔のことであるが、地学界でこの岩が生まれた時代はその何万倍も昔のことである。なんと紀伊半島の海岸は長生きしていることか!